「光回線の工事って、当日は立ち会うだけでいいんじゃないの?」
そう思っている方も多いかもしれません。
しかし実際の現場では、工事当日に以下のような判断を求められる場面が多々あります。
「光コンセントはどこに付けますか?」
「通信機器(ONU・ルーター)はどこに置きますか?」
「(配管が通らないため)壁に穴あけ又は、エアコンダクトからの施工が必要ですが問題ないですか?」
このとき知識がないまま何となく決めてしまうと、「Wi-Fiが届きにくい」「希望の場所にルーターが置けない」「管理会社の許可が無くて工事が中止になった」「電話機を移動させないといけなくなった」「有料工事をしないといけなくなった」「エアコン工事を断られた」といった後悔につながります。
この記事では、現役通信工事士の筆者が、実際の現場経験をもとに「工事前にこれだけは絶対に知っておいてほしい6つのポイント」を解説します。申し込む前の方はもちろん、すでに工事日が決まっている方もぜひ確認してみてください。
光コンセントの有無を確認
まず確認したいのが、自宅に「光コンセント」(光回線のケーブルを通信機器につなぐ壁の差込口)があるかどうかです。壁のプレートなどに「光」や「光コンセントSC」と記載されています。
すでに設置されている場合、建物の設備状況や契約回線によっては、工事業者が自宅を訪問しない「無派遣工事(機器を自分でつなぐだけの開通)」で完了することもあります。一方、光コンセントがない場合は、屋外から光ファイバー(データを光で送る細いケーブル)を室内まで引き込む工事が必要です。

現場のリアルな視点💡
「光コンセントがある=絶対に工事不要」ではありません。
前の入居者が残した光コンセントやケーブルがあっても、内部の破損や回線事業者側の設備状況によっては、そのまま使えないケースが多々あります。
「壁にあるから大丈夫だろう」と自己判断せず、最終的な工事の要・不要は事業者側の判断に任せましょう。光コンセントを見つけたら、「工事が不要になる可能性がある(ラッキーくらい)」と考えておくのが安全です。
機器(ONU・ルーター)の設置場所を考える
新しく光回線を引き込む場合、最も重要なのが「光コンセントをどこに設置するか」です。
光コンセントの近くには、ONU(回線終端装置:光信号をネット信号に変える機械)やWi-Fiルーター(有線・無線LAN)を設置します。ここが自宅のネット環境の「基地」になるため、以下の点をセットで考える必要があります。

現場のリアルな視点💡
事前に一番真剣に考えてほしいのがこの設置場所です。
工事当日に「どこでも大丈夫です」とお任せされるお客様も多いのですが、「工事がしやすい場所」と「ネットが快適に使える場所」は違います。
実際に工事している私が言うのも違和感を感じますが、工事しやすい場所は工事する業者にとって都合が良い場所なだけで、実際に利用する方にとっては、都合が悪い場所のケースがあります。
具体的には、家の端にルーターを置いた場合に反対側の部屋や2階に電波が届きにくくなったり、
将来的に有線LANケーブルを配線したくなった場合に配線自体が困難又は、工事費が高額になる可能性があります。そのため「普段どこでネットを使うか」「どこまで有線をつなぎたいか」を事前に決めておくことで、開通後の不満を大きく減らせます。
参考として理想の場所は、家の中心「真ん中付近」になります。
理由としては、Wi-Fiルーターを家の中心にWi-Fi(無線LAN)が飛ぶ為、家全体をカバーしてくれる可能性が高くなります。ただ実際には、家の構造などでWi-Fi(無線LAN)が飛ぶ距離が変わるため、可能であれば、工事前に契約した業者に事前調査を依頼することをおすすめします。
具体的に「どんな家がWi-Fi飛び難いか」や「家の中心に機器を設置できない」って方は、後日別記事で解説しますので、そちらを確認してみて下さい。
光テレビ(テレビサービス)を契約する方は要注意
光回線と一緒にテレビサービスを申し込む場合、ネット単体よりも確認すべきポイントが増えます。既存のテレビ配線、同軸ケーブル(アンテナ線)、分配器(アンテナ信号を複数部屋に分ける機器)などが関係してくるためです。
スムーズな施工のため、以下をあらかじめ確認しておきましょう。
※自身で確認出来る範囲だけ問題ない為、難しい所は業者に任せましょう!

現場のリアルな視点💡
光テレビを利用する場合、光コンセントの位置を「Wi-Fiの使いやすさだけ」で決めるのは危険です。Wi-Fi環境において最適な場所を選んだ結果、テレビ設備から遠すぎて配線が露出・複雑化したりして
希望通りの施工ができなかったりすることがあります。施工業者によっては、無料範囲の工事(TV部品交換の有無や高所作業の有無など)が決まっており、場合によっては費用が発生する可能性あります。
※費用の発生については、ネット情報や営業マンでは、分からない事がほとんどの為、
工事前に契約会社へ事前調査の依頼をすることお勧めします。(各ご自宅によって配線状況が違う為)
※地域によって、1人の工事業者が宅内外工事(配線〜機器設置)をする場合と、宅外工事で工事業者(配線)が1人・宅内工事(機器設置)で工事業者が1人のように2社の業者が別々で訪問する場合があります。
戸建ては「引き込みルート」と「配管」を確認する
戸建ての場合、電柱から建物へ光ファイバーを引き込み(引き込みルート)、既存の電話用配管(壁の中にあるケーブル用パイプ)やエアコンダクト(エアコン配管用の穴)などを利用して室内へ配線します。ただし、建物の構造や配管の状態によっては、希望の部屋までケーブルを通せない場合もあります。「この部屋に光コンセントを付けたい」という希望があれば、当日に工事業者へ伝えて施工可能か調査してもらいましょう。
現場のリアルな視点💡
現在、○○○光を契約してるから大丈夫!や新築だから大丈夫!という思い込みは禁物です。
新築や築浅でも、「配管の曲がりがきつい」「配管が潰れて使えない」「配管の行き先が希望の部屋と違う」といったトラブルは日常茶飯事です。
こちらに関して、自身で調べる事は難しい為(専門知識や道具が必要)、可能であれば工事前に契約会社へ事前調査の依頼をすることお勧めします。
⚠️注意ポイント⚠️
エアコンダクト(エアコン配管用の穴)を利用して光ファイバーケーブルを配線する場合、
エアコン業者から作業を断られる可能性がある事を理解しておいて下さい。
理由としては、エアコンを交換する際に光ファイバーケーブルを誤って切断してしまう可能性があるからです。特に最近では、その傾向が多い様に見受けられます。
※現在、既にエアコンダクトから光ファイバーケーブルを配線されている方については、
エアコンの交換を行なってくれる業者に事前に報告しておくことお勧めします。
これから家を建てる・設計段階の方は、あらかじめハウスメーカーとTV・ネット・電話の配線(Wi-Fi環境)について打ち合わせておくことを強くおすすめします。
シャチまるのお薦めとしては、大きめのマルチメディアボックスを設置して、配線や機器関係を全てボック内に収める様にする。また、予算に余裕があるのであれば、マルチメディアボックスを起点に各部屋へ空の配管を設置しておく事をお薦めします。
※各部屋へ空の配管を準備しておけば、一生使わない可能性も有りますが、仮にLAN配線などをしたいとなった時にスムーズに工事が出来るのでお薦めです。
賃貸(マンション・アパート)は大家・管理会社へ事前確認する
賃貸物件で工事を行う場合は、必ず事前に大家さんや管理会社へ連絡・許可取りをしておきましょう。既存設備だけを使う工事なら問題ないことも多いですが、建物の状況によってはビス留め(ネジで壁に固定する作業)や穴あけ、共用部(廊下や共有設備スペース)での作業が必要になるケースがあります。
※契約した光回線会社から賃貸物件の大家さんや管理会社へ連絡を取ってくれるケースも多々あるため、契約時に担当者に確認をしておきましょう。
現場のリアルな視点💡
一番困ってしまうのが、「工事当日に現場で初めて管理会社へ確認する」パターンです。
現場の状況から「外壁に1箇所固定のビス留めが必要です」となった際、その場で管理会社に電話がつながらないと、その日の工事はキャンセル(延期)になってしまいます。
再度日程調整となり、開通が数週間(1ヶ月以上)遅れることも珍しくありません。
申し込みを決めた段階で、「光回線工事でビス留めや穴あけが発生する可能性がありますが、施工しても問題ありませんか?」と管理会社へ確認を済ませておく。若しくは、契約した光回線会社から賃貸物件の大家さんや管理会社へ連絡をしてもらい工事許可を事前に取ってもらう様にしましょう。
私の今までの経験で、このようなケースで工事が6ヶ月間遅れた事があります。
ビス留め・穴あけが必要になるケースを知っておく
「光回線工事=必ず壁に穴を開ける」ではありません。電話用配管やエアコンダクトが利用できれば、新たに穴を開けずに引き込める場合があります。
ただし、以下のようなケースではビス留め(固定用)や壁への穴あけが必要になることがあります。

現場のリアルな視点💡
「絶対に穴あけNG!」という希望を持つこと自体は全く問題ありません。
遠慮なく工事業者に伝えてください。
ただし、「穴あけ不可」かつ「設置場所はここ限定」と
条件を絞りすぎると、施工自体が不可能(工事不可でキャンセル)になることがあります。
「できれば穴あけは避けたい」「ルーターはこの周辺に置きたい」「建物への影響」「配線の見た目」「通信の快適さ」など、希望がある場合は、工事前に契約会社へ事前調査の依頼をお薦めします。
まとめ|光回線工事は「事前準備」で失敗を減らせる!
ここまで、読んで頂き有難うございます。
光回線工事は、工事業者に丸投げするのではなく、「工事後の生活イメージ」を持っておくことが失敗を防ぐ一番の近道です。
そのためには、最低限知識と工事前に光回線を契約会社へ事前調査の依頼を行い、納得した上で工事を行うことが重要です。
事前調査については、無料で行なっている会社が多いのでまずは確認しましょう!
おまけ|【工事前チェックリスト】
〔 〕光コンセントの有無を確認した。
〔 〕ONU・Wi-Fiルーターを置く希望場所を決めた。
〔 〕主にWi-Fiを使う部屋・機器を確認した。
〔 〕(光テレビ利用時)テレビの台数と配置場所を確認した。
〔 〕(戸建て)光回線の引き込みルートや配管を意識した。
〔 〕(賃貸)大家・管理会社へ工事(ビス留め等)の許可を取った。
〔 〕ビス留めや穴あけが必要になるケースを理解した。
※確認できたらチェック✅してください。


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